成長ホルモンは臓器に作用する

成長ホルモンとは、脳下垂体前葉から分泌されるホルモンです。体のさまざまな臓器に働きかけることが知られており、子供の場合は骨の発達を促すという重要な効果を持っています。

この成長ホルモンは眠っている間に分泌されることがわかっており、「寝る子は育つ」ということわざが成長ホルモンの効果を裏付けています。もちろん子供の成長にはさまざまな要素が関わっているので一概には言えませんが、しっかり眠る子供ほど成長しやすいというのは確実でしょう。

成長ホルモンは子供だけに重要なわけではありません。まず、アミノ酸をたんぱく質に変化させるのに必要となります。この作用は体の修復に関わってくるため、筋肉の修復や脂肪燃焼などに作用します。

成長ホルモン以外にも、睡眠中にはプロラクチンというホルモンが分泌されます。これは乳腺の発達に必要なホルモンで、母親の母乳の分泌に必要になります。プロラクチンは昼寝しても分泌されるので、夜になかなか眠れないお母さんは子供と一緒に昼寝をするなどしてプロラクチンの分泌を促しましょう。

飲酒と睡眠の関係

飲酒をすると眠くなると言われますが、実際にはどのくらい眠くなるのでしょうか?実は、この問題は実験のよって明らかになっています。

アメリカで行われた実験内容はこうです。まずグループを二つにわけ、一つのグループは朝にお酒を飲ませ、もう一つのグループには睡眠時間を削らせます。お酒の分量は体重1キロあたり0.3グラム、0.6グラム、0.9グラムのグループにさらに3分割し、睡眠時間のグループは6時間睡眠、4時間睡眠、0時間睡眠(徹夜)に3分割しました。お酒のグループは、8時間しっかり眠る条件となっています。

さて、朝8時過ぎから30分の間にお酒を飲ませて夕方まで様子を見て、朝にお酒を飲んだグループの眠気と睡眠時間を削ったグループの眠気を比較しました。
すると、一晩徹夜したグループは、1kgあたり約2グラムのお酒を飲んだ場合と同じということがわかりました。これは体重70キロの人で缶ビール8本(2.5リットル)飲んだ時と同じ程度ということです。

また、2時間睡眠を削るのは、缶ビール二本分に匹敵するとわかりました。

つまり、睡眠時間を削るというのは、朝から缶ビールを数本開けるのと同じ程度の眠気が発生するということです。常にしっかりと適切な睡眠をとることが重要と言えるでしょう。

睡眠による疲労回復システム

脳の疲労回復については、ノンレム睡眠が深くかかわっています。ノンレム睡眠の中には徐波睡眠期とよばれる周期があり、大脳皮質の働きが極めて低下しています。つまり脳がおやすみモードに入っているということです。その間に休息し、大脳皮質の機能を回復させているのです。

徐波睡眠がしっかりとれないと、脳が疲労回復できないために脳の活動が低下してしまいます。この計測は短時間睡眠を強制する実験で発現させることが可能です。

短時間睡眠を課した被験者に対し、PVTとよばれる図形選択実験を行ったところ、大きな違いがみられました。PVTはランダムに表れる図形を見せ、該当するボタンを押させるという実験で、5分間で1回のテストを完了します。

通常、0.2~0.3秒ほどでボタンが押されますが、集中力がないとボタンを押し忘れたり反応が遅れたりします。短時間睡眠の場合、このPVTの実験結果が顕著に悪くなることが知られています。